毎年健康診断を受けている方は、是非比較してもらいたい項目があります。

それは・・・

①「体重」と「ＢＭＩ」

体重の変化は病気によってもたらせている場合があります

また、肥満は様々な慢性病の原因となる為、早期に改善する事

によって病気を未然に防ぐ事ができます

ダイエットをしているわけでもなく、食生活に変化も無いのに体重

が減った場合、甲状腺機能亢進症や膠原病、肝臓や腎臓疾患

糖尿病、自己免疫疾患や各種の癌などが隠れている場合があり

ます。その逆に、少食にもかかわらず急激に体重が増加する

女性の中には、甲状腺機能低下症の可能性があります

 

②「血圧」

正常範囲内でも血圧の上昇がある場合には、生活習慣の見直し

などを行い血圧上昇の原因を改善する事によって、予防する事

ができます

高血圧を放置すると様々な病気のリスクが高まる為、改善に向

けて早期に適切な治療を行う事が大切です

高血圧は自覚症状が無い分、放置されてしまいがちですが

動脈硬化や虚血性心疾患、脳卒中などを引き起こすリスクが

高くなります

 

③「脂質代謝」

脂質代謝を診る事によって、全身の血管の状態を判断したり

肝臓の状態、ストレスの有無を判断する事ができます

項目としては、総コレステロール、中性脂肪、ＬＤＬコレステロ

ール、ＨＤＬコレステロールになります

血液中のコレステロール総量を調べます。値が高い時は

動脈硬化、高脂血症、糖尿病、甲状腺機能低下などが疑われ

ます。中性脂肪は、皮下脂肪の主成分になったり、エネルギー

源として利用されますが、取り過ぎると、動脈硬化症や肥満の

原因となります。ＬＤＬコレステロールが多すぎると血管壁に

蓄積して動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を起こす

危険性を高めます

 

④「糖代謝」

血糖値やＨＡ1Ｃ、尿糖を調べます。糖尿病は増加の一途を辿っ

ており、合併症によって腎機能障害や目の障害を引き起こします

糖尿病合併症の予防には早期発見、早期治療が決め手です

４０歳を過ぎたら、定期検診と自分自身のコンディションへの気配

りが大切です。高血糖の状態を放置すると、網膜症、腎症、神経

障害の「3大合併症」や、脳梗塞、心筋梗塞など「動脈硬化性疾

患」の恐れもあります

 

⑤「腎機能」

腎臓は血液を濾過する重要な臓器です。尿タンパクや尿素窒素

クレアチニンなどの数値をチェックしましょう

腎臓は、肝臓などと同じく゛沈黙の臓器”と呼ばれるほど自覚症

状が出にくい臓器です。機能が低下している事に気づいた時に

は透析療法を始めなくては・・・という事もあります

特にクレアチニンは、eGFRの元となる数値でもありますので

ぜひとも注目してみてください

＊ＧＦＲは糸球体濾過量の略称で、腎臓の中にある糸球体が

どれくらいの老廃物を濾過する事が出来るのかを示す値

 

●以上の項目を「毎年見比べてみる」事が大事です

毎年の数値が基準範囲内であっても、前年やその前の年と比

べると、徐々に上昇していたり低下していたりしている時は

注意した方がいい場合もあります

「Ｂ判定」の項目が重なれば、脳梗塞や心筋梗塞などの、重病

の危険性が高まりますので要注意です