近年、長時間労働やパワハラの横行などにより、精神疾患を発症する人々が増えています

精神疾患の内訳はもっとも多いものが、鬱病で、次に多いのが統合失調症、不安障害、認知症と続いており、特に鬱病と認知症が著しく増加の一途を辿っています

そんな増え続けている精神疾患だが、「貧血」との関連性が指摘されています

貧血になると体を動かした時に、体の様々な所に十分な酸素が

行き渡らず、それを補うために心臓や肺が懸命に働くことで

体動時の動悸、息切れ、耳鳴り、めまい、頭重感、集中力が

低下するなどの症状が起こります。この症状は精神疾患の

症状と酷似しています

 

▼なぜ、貧血になると精神疾患が悪化するのか

神経伝達物質は脳内で合成されますが、その時に必要となる

のが、鉄分です。体内に十分に鉄分がなければ、脳内神経伝

達物質が足りなくなるため、脳細胞同士の信号がうまく遅れな

くなります。鉄分は神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレ

ナリン、セロトニンを合成するのに欠かせません。その為鉄分

不足はイライラ感や疲れやすさ、注意力の低下といった鬱病

と似た症状が出ます

結果的に、これらの神経細胞から構成される神経系全体の

活動が過剰あるいは過少になり、病的な精神症状が出現し

やすくなります

 

▼貧血は血液検査だけではわからない場合が多い

一般的な鉄欠乏性貧血では赤血球数は正常の事も多く、貧血

の診断には赤血球数は正確な検査ではありません

医師が判断する鉄欠乏性貧血のポイントは

・血色素量とヘマトクリットが低値であること

・赤血球が小さくやせていること（ＭＣＶ、ＭＣＨ、ＭＣＨＣが

　低下している）

・赤血球が大小不同を示したリ、奇形赤血球を伴う事

そして一番知りたいのは血清フェリチン値です

血清フェリチン値は、一般の病院ではなかなか調べてくれない

かもしれませんが、勇気をもってドクターに調べてもれえるよう

お願いをしてみても良いでしょう

貧血の主な原因は血液中の鉄分が不足することです

血液中の鉄分は出血などで不足すると、体内に貯蔵されてい

るフェリチンから補われる仕組みになっています

 

▼ストレスは貧血を招く

長く続くストレスで自律神経のバランスが崩れ、十二指腸の働

きが弱くなり、鉄分を正常に吸収できなくなった結果、貧血を招

くこともあります

更に、ストレスは「血流」の悪化も引き起こします。身体的ストレ

スと精神的ストレスを受けると血流障害を生じます。この血流

障害を直接引き起こすのは自律神経系と内分泌系の働きに

よります

血流が悪化すると当然、濾過臓器である腎臓への血流も悪化

します。腎臓には腎臓から分泌されるホルモンの一つエリスロ

ポエチンというホルモンがあります。このエリスロポエチンの機

能は骨髄に働きかけ赤血球の産生を促進させます。よって、ス

トレスによる血流悪化があると、腎機能が低下して赤血球の生

成を貧血が神経伝達物質の分泌に問題を引き起こし精神状態

を悪化させ、精神状態の悪化がストレスとなり、更に貧血を引き

起こすという負のスパイラルが続くケースも

 

◆貧血を改善した事で精神状態が良くなったという方も多数お

られます。もちろん全て貧血が原因ではないですが、原因不明

の不快感が続く場合には、改善を試みるのは意味のある事だ

と思います