急激な腰部の激痛、欧米では「魔女の一撃」といわれるほど強烈なものです。ですが、腰背部に強い痛みを伴う場合に気を付けなければいけないポイントが他にもあります。それは内科的な疾患を見逃さないことです。とくに後腹膜臓器（十二指腸・膵臓・腎臓・副腎・尿管・腹大動脈・下大静脈など）の異常では腰背部に痛みが出やすいとされています。しかも内科的疾患の場合、腰背部に痛みが出る=重篤な場合が多いです。

特に上記のような内科的疾患を見抜くための指標として

• １か月以上痛みが続いている
• 夜間時や就寝時の安静時痛
• 発熱や寒気などのバイタルサインの異常
• 感染症の既往
• 膀胱直腸障害
• がんの既往

などがあげられます。整形外科的領域での腰痛に「発熱や寒気」などが合併することは殆どありません。上記のような風邪に似た症状なども併発している場合は、急性腰痛以外にも痛みの原因が考えられるので至急専門医を受診することをお勧めします。

施術の基本方針は「適度なストレッチ、運動」が一番です。腰痛で手術となる場合は「腰部椎間板ヘルニア」や「骨肉腫」のような疾患によるもののみである。単純な急性腰痛症であれば、姿勢を楽にして疼痛が引くのを待ち、徐々に再発防止のために腰の筋肉を鍛える事で施術やリハビリを進めていきます。痛みを少し和らげるため、適度な運動やストレッチを実施し、筋肉が凝り固まることを防ぎます。ですが就業などで完全に治りきる前に痛みを押して無理に勤務などを行うことで、慢性化することもあります。また投薬（湿布と鎮痛剤）を用いて施術することもありますが、あまり用いられることはなく、無理は禁物です。また、接骨院などで損傷した組織の回復を促す意味でマッサージやストレッチなどの施術も効果的であると考えられています。

急性腰痛の場合、受傷初期は炎症もあり痛みを散らす意味でも「冷やす事」が有効と考えられています。そして、痛みが和らいできたら筋肉などの血流などを促し組織の回復を促進するため「温める」ことと「適度な運動・ストレッチ」が有効と考えられています。