頭部の神経やその周りに筋肉や血管そのものに原因のあるものが「一次性頭痛」と言われています。皆さんがよく聞く「偏頭痛」はその１つです。また、最近では群発頭痛（目の奥から突然くる痛みの強い頭痛）などの疾患が有名ですが、こちらも脳内の三叉神経、自律神経性の痛みと考えられており、一次性の頭痛と考えられています。
※一次性とはあくまで、脳の周り（筋肉や血管）に原因があるもので一時性（いっときの痛み）という意味ではありません。後述しますが、二次性（筋肉や血管など脳周囲の組織自体に原因の無いもの）との比較になるので、「いっときのものだからほっとけば治るだろう」というものではないということだけは注意してください。

上記に上げた原因ではない、他の病気や疾患の症状として現れる頭痛の事です。特にこちらの場合は致命的な疾患も含まれるので注意が必要です。
よく知られているのでは、アルコールの摂取による頭痛（二日酔い）です。血中に溶け出したアルコールは肝臓で処理されますが、その処理能力は個人差があります。飲み過ぎると肝臓で代謝しきれず、処理しきれなかった場合に生成されてしまう「アセトアルデヒド」という物質が多量に血管内に残されてしまいます。血液の流れに乗ってそれが脳に到達すると、脳内ではそれを分解してやっつけようと血管を拡張させ、酸素を脳の血管内にたくさん取り込もうと働きます。それに伴って周囲の神経が刺激されて頭痛として感じられるというものです。
それ以外にも特に注意が必要なものは、頭部や血管の障害によるもの。脳梗塞や脳卒中、硬膜外（内）出血などの脳血管障害によるものです。痛みの強さは様々ですが、意識障害や感覚障害（下肢の痺れ）などを伴うこともあります。また、感染症（風邪、インフルエンザ、髄膜炎）からくる頭痛もあります。

頭痛は日常生活の中でよく起きる比較的多い症状ですが、その原因は様々です。中には命にかかわるものや放っておくと重篤な後遺症を残す可能性のあるものもあります。体からの危険信号と考えてしっかりと原因を突き止め、適切に対処することが大切です。