スポーツ外傷や障害は、取り巻く要因によってもその頻度は様々です。

• 個々の要因：年齢、体重、体脂肪率、性差、体の硬さ（関節弛緩性）、姿勢など
• 環境：天候、温度、湿度、グランドやコートのコンディションなど
• 技術：障害を起こしやすい未熟で危険なフォームなど
• 再受傷：以前の怪我からのリハビリ等が不十分で、受傷前のレベルに患部が回復していない場合など。

スポーツ外傷の中で最も多いものは捻挫であり全体の約1/3を占めている。特にコンタクトスポーツ（柔道・アメリカンフットボール・ラグビーなど）や格闘技に多く、陸上や水泳では少ない傾向です。部位別にいえば、足関節（足首）と手指部がそれぞれ全体の約2割を占めています。重傷外傷の例もあるが発生頻度としては少ないとされています。

スポーツ障害の中で有名なものには「野球肘」があります。
野球肘の場合、ボールを投げる動作の中で肘の内側に細かなストレスがかかり、それが続くことで発症します。どちらかというと「使い過ぎ」に起因する障害です。特に発育期の男児に発症することがあり、将来性を見据えた施術が必要となります。投球やバッティングは禁止。保存療法は最低でも3ヵ月行い、徐々に運動療法を入れていくことになります。スポーツ活動への復帰は約１年以上を要することもあり、場合によっては手術になることもあります。

また、痛みの出ない部位（野球肘でいえば、下肢などの筋力）の筋力強化は継続して行い、筋委縮と体力の低下を予防していくことも必要です。スムーズな現役復帰に向けてコーチや監督の指導やメンタル（ポジション争いや練習に参加できない不安や焦り）フォローも必要でしょう。

基本的に、野球肘を発症する前に予防することが重要で対策として「早期発見、練習量や投球数の管理、投球動作の見直し」などが必要です。小学生では1日50球程度。週で200球まで。中学生では1日70球程度、週350球。高校生では1日100球以内、週500球を越えないことが提案されている。