スポーツ選手の競技中に発症、長時間のデスクワーク等で不良姿勢を長くとり続ける。また、労働者が重量物を運搬する際に生じるなど、長時間筋肉や靭帯に過度なストレスをかけてしまうと、腰の周りの筋肉や靭帯に炎症をきたすことがあります。一般的に腰痛といわれるもののほとんどは上記のような日常生活での生活の中で生じるものです。
また、20～40代に多いもので「ぎっくり腰」があります。重いものを持って急に移動する、寝起きの際に起き上がろうと力んだ際にいきなり激痛が走るといった具合に予期せぬ激痛から動けなくなり、担ぎ込まれるように整形外科や接骨院を受診される方は多いです。

腰痛と聞くと上記のようなものをイメージする方も多いと思いますが、実は腰に痛みをもたらす疾患は多岐にわたります。腰の痛みにもさまざまな原因があり、その原因をしっかりと把握した上で適切な施術を行う必要があります。

60歳以降の高齢な女性に多いのは「いつの間にか骨折」といわれる腰部の骨折（腰椎椎体圧迫骨折）を原因とした腰痛が多いです。腰には腰椎といわれる身体を支える骨が上から下にたくさん並んでいます。その中の椎体という部分が体の重さに耐えられなくなり潰れてしまい、その結果として腰の周りに痛みが出てくる場合です。この骨折の場合、本人の自覚なしに骨折していることが多いので、単なる腰痛として施術を行ってしまったことで後々の生活に大きな支障をきたす事が少なくありません。

スポーツ選手のハードなトレーニング、肉体労働で長期間重い荷物を運ぶなどの重労働が原因で起こるものに「腰部椎間板ヘルニア」があります。他の腰痛との大きな違いは、腰から下の臀部から足の指先までに痺れなどの神経症状が出ることです。この場合、痛みは頑固で下肢の痺れも伴うため日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

上記のような原因の場合、痛みの部位を指でピンポイントに指し示すことが出来ます。ですが「ぼんやりと腰が痛い」「鈍い・鈍痛のような痛み」などの不定愁訴がある場合には内科的疾患（腹部大動脈瘤や大動脈解離などの血管疾患。腎梗塞などの腎疾患、急性膵炎など）も疑われます。

たかが腰痛と安易に考えず、専門機関を受診し適切に施術する必要があります。